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みんなでつくる博物館会議2010 のメモ

博物館 イベント

2/13に開催された、みんなでつくる博物館会議2010(主催:三重県)に参加してまいりました。
この記事はその内容を書きとった自分用メモです。断片的なメモですので、発言者の口調やニュアンスは伝えきれません。発言を意図的に改変するつもりはありませんが、誤謬が含まれる虞は多分にあります。ご諒解の上お読みください。
 
オープニング挨拶:整備室長 井戸端氏
 
博物館建築工事開始より、新博物館ができるということが広まってきた。今は基礎工事中だが、10月には展示の設計も決定し、予算を立てている。明日からの議会でそれを審議して戴く予定。ハード面は整いつつある。今回の会議では、博物館をどう使ってもらい、博物館で何ができるか。これまでの、見るだけというものではなく、交流を広げていくことを主にした博物館にした。「ともに考え活動し成長する博物館」にはどうしたらよいか、考えるために会議にしたい。
 
第1部 博物館を活かして使う達人に聞く!
 
1)石川佳奈子氏(三重県立博物館サポートスタッフ)
博物館は屋根のある公園…程度の認識しかなかったが、子どもがきっかけでサポートスタッフに参加し、長く活動している。サポートスタッフのメリットとして、気楽に参加し、子どもとともに学ぶことができる、また親子共通の話題がある点、世代を超えた交流が広がる点があり、とても喜ばしく思っている。ただ、サポートスタッフの役割が大きくなるとともに中心メンバーの負担が増えることが課題となる。
 
2)川本百合子氏(斎宮ガイドボランティア)
新博物館建築に当たって、ガイドボランティアで勉強会をもち、要望をまとめた。
1.交通アクセスをわかりやすく。可能ならシャトルバスの運行を希望。
2.展示タイトルを工夫してほしい。集客につながる。
3.平日の集客を考えてほしい。学校への働きかけだけでなく、大人も来たくなるような博物館に。
4.くつろげる空間、休憩スペースが欲しい。
5.年間の展示スケジュールが一覧できるパンフレットが欲しい。
6.展示をみるだけでなく、調査ができるようになるとのこと、とてもよい。
7.各展示室にスタッフを配置してほしい。ボランティアなどで、少し知識のある人がいるとよい。
8.料金の割引は、高齢者や子どもだけでなく家族割引などを設定してはどうか。
9.博物館の敷居を低くしてほしい。
 
3)前田雅子氏(滋賀県立琵琶湖博物館フィールドレポーター)
「博物館を楽しむフィールドレポーター活動」と題しての活動紹介。
琵琶湖博物館のテーマ:湖と人 フィールドへの誘いの場、交流の場としてフィールドレポーターが制度化されている。
レポーター:年齢・経験・動機・目的は様々。ほぼ全県にいる。
活動内容:アンケート、掲示板発行、レポーター交流会、観察・見学会、交流イベント参加。
アンケートは調査テーマを決め、調査用紙をレポーターに郵送→調査後記入して返送→まとめ→報告 の流れ。誰でもどこでもできて安全なテーマを選ぶことが重要。定められた調査の他に、レポーターの自由記述欄からの発見が楽しみ。
対象物を通して環境がみえることが魅力。ユニバーサルな活動だと思う。
 
<質問>琵琶湖博物館フィールドレポーターの調査の品質はどのようなものか。それをどうやって維持しているのか。
→地域での活動の成果をまとめ、企画展につなげている。質問紙での調査が主なので、わかりやすい調査票づくりを心がけている。レポーター個々に多様な調査法をとっており、どのようにまとめるのか、まとめる側の力量にかかっていると思う。
 
パネルを見ながら交流会!

サポートスタッフによる展示のほかに、この写真のように新博物館の予想図が掲げられている。参加者は付箋とペンを配られ、自分の希望や意見を予想図*1の該当箇所に貼り付けていく。予想図周辺には県の担当者がいて、話をすることができる。
この時間の最後に予め渡されていた質問紙を回収され、意見交換会に反映された。
 
  
第2部 新博物館で、こうしよ、ああしよ!
コーディネーター:山田康彦氏(三重大学教育学部教授)
コメンテーター:布谷知夫(三重県生活・文化部顧問 ※元滋賀県立琵琶湖博物館職員)
 
博物館をこのように活用しよう、このように活動したい、という意見を求めたい。
まずは質問紙より。

  • 地域との連携を目標に掲げていたが、地域住民の活動を元に企画展をしてはどうか。あるいは、そのようなグループの後押しを博物館がしてほしい。地域おこしになる。

→新博物館は企画展スペースを大きくとっている。三重には話題が多く、多様な展示をするため。その一環として、地域発信の展示は当然考えられる。

  • 小学生に自然の大切さを知らしめるような展示をしてほしい。

→大切な課題と考えている。

  • 県内関係機関との連携が計画に入っている。図書館も改革を進めているが、連携はどのようになっているのか。博物館の課題、資料の電子化や紙媒体資料の保存と展示、レファレンスは図書館の上げている課題と重なるが…、例えば博物館の企画展期間に図書館でも関係するテーマの展示を行えば、県民によりアピールできる。

→図書館との連携については議論がされておらず、準備できていない。向かい合わせに建つことになるので、資料を提供しあい、図書館の展示の横に博物館から実物を貸し出す、など提案は実行できるものだ。レファレンスにおいて、博物館のレファレンスは実物に基づくものだと考えているので、本から事実を出す図書館のレファレンスとは対応の仕方や機能が異なると考えている。

  • サポートスタッフをうまく活用して、経費を節約してはどうか。もっと仕事を任せてほしい。NPOを作るなど、してはどうか。〈サポートスタッフ情報局所属者より〉

→新博物館になると、今のスタイルでのサポートスタッフの活動からは変化する。しかしNPO法人の立ち上げはスタッフ自身が主体的に行うもので、博物館側がつくるものではない。提案はどんどんしていってほしい。
 
提案・意見交流

  • 図書館との連携の議論はしていないと言ったが、同じ生涯学習施設なのに考えにくい。斎宮歴史博物館やガイドスタッフなどとも積極的に交流してほしい。サポートスタッフは出て行くつもりはある。〈サポスタ〉
  • 子どもに来てもらう取り組み、子どもに理解できる取り組みをしてほしい。展示の説明文など。
  • 1 触って楽しめる、感覚でわかる展示をするとよいのでは。2 大学生も参加できる仕組みづくりをしてはどうか。三重大生のなかにもきっとガイドスタッフなどを希望している人はいると思う。大学生を巻き込む体制づくりを。 3 図書館の話題にぬいぐるみのおとまり会があった。博物館でも、ナイトミュージアムやおとまり会をしてみては。 4 くつろげるカフェスペースを設置してほしい。〈サポスタ・三重大学学生〉
  • 利用料金は何度も来られる程度の有料、を希望する。無料だと頭に入らない。いかに充実した利用ができるか、を考えて料金設定をしてほしい。
  • 名古屋大学博物館は若い人に来てほしいが、実際のところ利用者は年配者が多く社会教育になっている。しかし、休日に企画展や特別展をすることでリピーターが生まれた。常設展だけでリピーターをつくることはできず、やはり特別展や企画展をすることが重要。〈名大博物館勤務・サポスタ〉
  • 旭川動物園は規模としては小さいが見せ方を工夫している。博物館にも、ライブ感や遊び心がもっとあってもよいのでは。
  • 牛の博物館*2には前沢牛を食べさせるレストランがある。カモシカ*3を食べさせるくらいの面白みがほしい。博物館にもレストランを設置しては?
  • 常設展は三重の縮図のよう。この展示を見て、実物を見たい、観光に行きたいと思わせてほしい。そうすることで、知の拠点というだけでなく博物館が中心となって三重を活性化させられる。今いきいきしている情報、観光ガイドなども置いていいのでは?
  • 三重の公共施設は月曜日に一斉に休館し、ブラックマンデー。しかし月曜は休日であることが多いのだから、交代でせめてどこか一館でも開けていてほしい。
  • 古い道具類などは、使い方も継承していくといいのでは。体験型を望む。
  • 体験型ならば、住宅を移築して生活できるように… 夢のような話だが。
  • 三重で一番重視しないといけないのは神宮。もっと取り上げて。
  • 三重中心の文化、たとえば各地にある伊勢音頭の採集をして、聞けるようにしては?
  • まちかど博物館*4に参加しているが、まったく人が来ない。ケアを望む。

ハード面について

  • 料金:検討中
  • 交通アクセス:新博物館の建物にとって一番の課題。100台分程度の駐車スペースが必要だが、現在の総合文化センターの駐車スペースで企画展などに対処できるか。現時点では建設工事にあたって駐車場を塞いでいるため、臨時バスを運行している。しかしこれは県が相当額を負担しており、継続は難しい。
  • 公文書:公文書に限らずあらゆる文書を収集すべき、と質問紙にあった。県史編纂グループのもつ明治期以降の資料が1万7千点ほど、歴史資料が12万点ほど。さらに現県立博物館のもつ資料もある。どのようにするか検討しなければならない。
  • 県民公募債:今回、100億円程度が集まり感謝している。そのうち新博物館に17億円が充てられた。これは事業費の7割で、その分を地方債でなく賄うことができた。

 
まとめ
コメンテーター:布谷氏
前回の会議よりも、事業計画に組み込めそうな具体的意見が多く出た。"やりたいこと書き込みノート"に記録しておく。
博物館は、基本になる資料や研究をきちんとすることが大切。資料・研究成果が根拠となって、楽しくて学びになる博物館にしていくことができる。
 
コーディネーター:山田氏
博物館があることで三重県が元気になるようにしていきたい。
 
エンディング 
生活文化部:山口氏
様々な意見が寄せられた。これら博物館への期待と意見をもとに計画を進めていく。まだまだ認知度が低いので、今後は博物館の認知度を上げていくことが課題。

*1:建築・展示設計概要 [http://www.pref.mie.lg.jp/SHINHAKU/HP/sekkeipanf1003.pdf:title=PDF]

*2:岩手県・奥州牛の博物館 設置者:奥州市 http://www.isop.ne.jp/atrui/mhaku.html

*3:鈴鹿山麓には日本カモシカが生息。[http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%AB%E3%83%A2%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC:title=日本カモシカセンター]があった。

*4:コレクションや伝統の技・手仕事などを、仕事場の一角や個人のお宅などで、館長の語りとともに見ることができる。[http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/shushi.htm:title=内容・趣旨はこちら。]