高等学校新学習指導要領実施説明会 −「国語」について

改訂の趣旨

言葉を通して的確に理解し、論理的に思考し表現する能力、互いの立場や考えを尊重して言葉で伝え合う能力を育成することや、我が国の国語文化に触れて感性や情緒をはぐくむことを重視する。  「国語科改善の基本方針」(中教審答申 H20.1月)

 
改訂の要点
◇教科の目標の改善
◇共通性と多様性→科目構成の改善

  • 「国語総合」を共通必履修科目に、「国語表現」は選択科目に

◇「言語活動」の充実

  • すべての教科・科目で言語に関する能力の育成を重視
  • 国語科は中核的な教科であり、直接かつ計画的に指導する役割と責任がある
  • 国語科と他教科の指導の連携を図り、学校全体で取り組む共通理解が必要

 
国語科の目標

国語を適切に表現し的確に理解する能力を育成し、伝え合う力を高めるとともに、思考力や想像力を伸ばし、心情を豊かにし、言語感覚を磨き、言語文化に対する関心を深め、国語を尊重してその向上を図る態度を育てる。 「高等学校学習指導要領 国語」第1節 第1款

「想像力」が新たに付け加えられた。
科目
◇各科目の構成

  • 「国語総合」「国語表現」「現代文A」「現代文B」「古典A」「古典B」
  • 「A 話すこと・聞くこと」「B 書くこと」「C 読むこと」は維持
  • 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕を新設
  • 共通必履修科目「国語総合」の目標は教科の目標と同一
  • 「A」科目と「B」科目との違いは難易ではなく性格の違い (A:言語文化や読書への関心・意欲の育成 B:読む能力を高める)

 
指導計画の作成と内容の取扱い
◇各科目の履修順序

  • 「国語総合」を履修した後に「国語表現」「現代文A」「現代文B」「古典A」「古典B」を履修させる

◇内容の取扱い

  • 教材に関する事項についての留意点
  • 学校図書館の計画的な利用、読書推進、情報活用:国語の各科目の指導と評価の計画の中に学校図書館の利用や活用を明確に位置付け、意図的、計画的に学校図書館を用いた指導を行う
  • 教材・教具の適切な活用

◇総則との関連

  • 道徳教育との関連
  • 学校設定科目:H25以降再度登録の必要あり
  • 共通必履修科目の減単位:2単位まで減ずることが可能だが、生徒の実態を踏まえずに行うことは厳に慎むべき
  • 義務教育段階での学習内容の確実な定着:「国語総合」の中で行う、「国語総合」を増単位する、学校設定科目を設置する 等の方策

◇言語活動の充実

  • 朝読が教育課程上認められたが、学校設定科目・増単位としては認定しない(三重県)