あまりニュースになっていないようですが、個人的にはそこそこにインパクトがありました。
JSTによる「世界に誇る地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)推進プログラム」のウェブサイトが2015年7月23日付で開設され、同日公募開始となりました。
本プログラムは、地域に集積する産・学・官・金(金融機関)のプレイヤーが共同で5年後、10年後からその先に実現される地域の姿と社会的価値を「ビジョン」として掲げ、国内外の異分野融合による最先端の研究開発、成果の事業化、人材育成を一体的かつ統合的に展開するための複合型イノベーション推進基盤としてのリサーチコンプレックスを成長・発展させ、地方創生にも資することを目的とします。
- 公募期間:7/23(木)~9/15(火)
- 支援規模は拠点あたり5~7億円程度/年度
- 支援期間は5年度
- 採択予定拠点は2拠点程度
- 拠点体制:
- 中核機関:大学、公的研究機関、都道府県又は政令指定都市が設立・運営に深く関与する法人のいずれか
- リサーチコンプレックス協議会:都道府県又は政令指定都市、中核機関及びリサーチコンプレックスの成長・発展に主体的に取り組む機関(企業、大学、金融機関等)
- 参画機関:大学や企業。中核機関と委託研究開発契約又は共同研究開発契約を締結して共同研究や事業化支援等を行う
支援規模はCOC+と同程度と言えるでしょうか。
たとえばCOCなどは、ネットワーク形成や人材育成による地域活性化が中心のように感じます。見比べて違うと思うのは、組織を強化して共同研究の先へ踏み出すところ。研究開発成果の展開というか、社会化・事業化なのかな、と。企業ではなく「金」つまり金融機関等からの融資という表現をしていますし。とはいえ金融機関のインセンティブってなんだろう・あるのかしらん、という気もします。。
この間に事業計画が公開[*1]されたばかりで、一見しては早いなあ、という気がします。
が、遡ってみると2014年8月付けで報告書が出ています。
「(4)地域科学技術イノベーション施策の望まれる姿」にほぼ同じ内容があるので、きっとこの報告書の取りまとめ段階、1年以上前から準備している機関はたくさんあるんだろうなあ、と思いました(感想その1)。
文科省やJSTのプロジェクトを見ていると、URAなどのコーディネーターの役割の重要性の一層の高まり、図書館だとレファレンスに関連して地域情報や知財への強みが必要になりそう、というように感じます(感想その2)。