人材需給ワーキンググループ取りまとめ(案)の公表

文部科学省より2017年5月22日付の「理工系人材育成に関する産学官円卓会議人材需給ワーキンググループ(第3回)配付資料」で「人材需給ワーキンググループ取りまとめ(案)」が公開されました。


上記ワーキンググループは2017年8月策定の「理工系人材育成に関する産学官行動計画」に基づいて産業界のニーズ調査、調査に基づく議論、対応策を検討してきたとのこと。

調査結果の概要は以下のとおり。

  • 機械、電気、土木、ITなどの分野の企業ニーズが高い
  • 分子生物学、生体システムの分野は企業ニーズは低いが研究者の数が多い
  • なかでも特にAI等の成長を支える数理・情報技術分野の人材が将来圧倒的に不足すると指摘されている→重点分野とする

これらに基づく対応策『「産業界ニーズと高等教育のマッチング方策、専門教育の充実」の実行に向けた対応策』が3点4項目でまとめられています。

(1)産業界のニーズの実態に係る調査に基づく需給マッチング
 ①人材需給マッチングを推進するための仕組みの構築
 ②社会ニーズに対応する教育環境の整備
(2)産業界が求める理工系人材のスキルの見える化、採用活動における当該スキルの有無の評価
(3)産業界のニーズを踏まえたカリキュラムの提供
 ①大学等における社会人の学び直しの促進
 ②未来の産業創造・社会変革に対応した人材育成

議事録と配付資料をざっと読んで気になったいくつかをメモ。
(2)でMOOCが挙げられていること。
議論でも学び直しのことが触れられていて、仕事をしながらの学びやキャリア*1のはなしに。MOOCの位置づけや現状はまだ見えていないんだなーというのも、むーくむーく言っていた身としてはもやもやします。まだこれからなんだなあ。

即戦力ってなんだというはなし。
研究職、技術職の切り分けと育成や、何なら即戦力というのかの切り分けの議論が興味深いです。共同研究を通じた人材育成の図表を(大学-企業-内容)眺めているのもおもしろく。

こういうところに、研究機関はどうかかわっていけるのかなあっておもったので、備忘のために。

Ref.

*1:「今自分がずっと会社に残っていて,あまり会社に迷惑をかけずに勉強する方法というのがもっと議論されてもいいなと思っています」っていうのはどうなんだろうと思いつつ。