イベントに関わりました

昨年、勤務先が初めて産官学連携イベントをひらいた。企業や勤務先の重役を中心に170名ほどを招待して、研究者がプレゼンをする会。誰にとっても初めての仕事だった。開催まで1か月を切ったタイミングでごろりんとおりてきて、進行管理から台本作成、マニュアルの作成や確認、登壇者との連絡係などなどなど、を、して思ったこと。


大きい案件はゴールが明瞭な方がいい
イメージしているイベントが他にあるのなら、画像動画プロシーディングスウェブページその他で意識付けや擦り合わせをするのが大事。ゴールに向かって設計したい。「共同研究のための素地にする(名刺交換や交流できるような工夫をしよう):名刺の数」とか、「組織に対して新鮮な印象をもってもらう(イメージづくりやプログラム、キャスティング):アンケートの回答」とか、目的を明確にして詳細を詰めていく、成果をはかるのが理想よね、と思った。

新規案件も過去に経験のある業務の組み合わせからなる
言葉どおり。イベントの企画自体は新規かもしれないけど、工程を分割したら大したことないんだと思う。だからちゃんと業務を細分化して落とし込む。それを共有すればたいていできる、はず。業務を洗い出せない、何らかのイベント(学会も含め)に参加したことがない人が多数、だとそうはいかないけれど。

時間のないときは信じてくれる人と信じられる人と思い切り仕事する
そういう関係の上司と先輩がいてよかったな、ということ。組織なので、私から職位の高い方々に否定的なことを言ったり提案したりするのは、通常なら不躾なこと……なんだけど、なりふり構っていられないくらい時間がなかった。私が立場を弁えることよりもイベントで悪い印象を持たれることの方が、組織にとっての不利益が大きいと思っていた。意見を言わせてもらえて、任せてもらえてよかったなと思う。私にコメントやアドバイスくださる方も、面倒事に関わりたくないだろうに助けてくださった。ほんとはもっと職位の高い方が仕切るべきだったんじゃないかと思ったりもする。

下見と試行はほんと大事
初めての会場で初めての企画をするので、今回は下見ができてよかった。全体像を作ってから(施設見取り図や貸出物品を調べて進行表や香盤表を作ってから)、それが実行できるかを確認したほうがいいのかな、と思った。施設を使ったことがあるか、知っているかによって違うだろうけれど。今回は下見のTodoリストを作って、下見参加者に割り当てて細々確認した。動線やレイアウトもだけれど、施設側の非常時の対応によって主催者側の体制やアナウンス内容が変わる、とかもある。

人手は余るくらいでいい
トップとサブが走り回らないのは当然として、準備も当日も、足りないよりは遊びがある方がいい。困ったことも人手があればなんとかなることが結構ある、気がする。ほか、力の面でどうにもならなかったことがあって、男性がいてくださって本当に助かった。(これまで関わっていたフォーラムや学会は少数精鋭というか、慣れた方々が何をお願いしなくても動いてくださって、人が遊ばないし遊びがなくてもできた。恵まれてたんだなあと思う)

利害を明確にして、巻き込まれる人にメリットがある体制に
実施メンバーはさておき、登壇してくださる研究者の方々に得るものがあるように。嫌な思いをしないように。と、思っていた。私ができたのは事務連絡とフォローくらいだけれど。それとは別に、組織にとっての位置づけ、体制やコスト(人員も予算も将来性あれこれ含めて)が明確でないと、なぜその仕事をしなければならないかに納得してもらえない。結果、上司から指示がなくてその仕事をすることが許されない。或いは二度と協力させない、なんてことがあるのだと知った。やらなくちゃいけないことは決まってるんだからみんなで頑張ればいいのにな、組織ってめんどくさいって思ったりした。でもまあ、それが組織の整合性と所掌業務の遂行に必要な手続きなんだろう。


そんなことを思っていました。
まとめると、デザインと共有がとても大切、ということになるのかな。
大変だったけれど、このイベントのおかげでいろんな方とお近づきになれたのが私の得たものです。


運営の参考にしたのはこちら:
ちょうど異動して、この案件がおりてくるとかこないとか囁かれていたころに、くとの先生が以下から始まる一連のツイートをなさってた。ああこれは、と思って準備中に読み返していたし御本も買った(そして上司にも読んでくださいと言って押し付けた)。


ニコニコ学会βのつくりかた―共創するイベントから未来のコミュニティへ

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その他:

  • 進行表は片面印刷が見やすかった。見比べたりばーっとめくって書きかえたりするのに。
  • エストポーチ便利。ベルトの長さ調節でボディバッグにもできるものがよかった。合皮のポーチを、仕事にも出張やお出かけにも使ってる。
  • ストレッチ素材のタイトスカートがきちんと感あり走れて楽。スリット入ってると動きやすい。そもそも夏のフォーマルなパンツを持っていなくて。
  • インカムをつけるときは眼鏡が邪魔になる。斜め前髪を耳にかけて止めるのも邪魔だった。もっと耳が大きければいいのかな。
  • 当日は舞台周りのことと影アナをしていた。上司と相談して、進行に合わせてアナウンス内容を変えたり。自分で台本書いてるんだけど、その場で気付く不備と改善点が多かった… あと、すました声で話しすぎて誰だか認識してもらえなかった。かなしい。