参加記録と感想です。
三重県立図書館は2011年4月に「明日の県立図書館~三重県立図書館改革実行計画~」を策定しています。これは2011年からの4か年計画。
毎年当該年度の1月に成果報告といった位置づけのフォーラムが企画されています。2015年1月24日(土)に開催された「明日の県立図書館フォーラム2015「どこにも2つの図書館」」を聞きにいきました。
内容はこちらを。
「どこにも2つの図書館」というのは、(都道府)県立図書館と市区町村立図書館(図書室)との役割を表しています。
二者を比較したとき、市町村立図書館の中心的サービスは貸出、レファレンスといった直接サービス。都道府県立図書館の役割は全域サービスや市町村立図書館の支援といった間接サービス、調査研究、市町村立図書館と比較して専門的資料[*1]の収集など。ものすごくざっくりと書いていますが。。
三重県立図書館は市町村立図書館の支援、県内全域に同等のサービスを提供するための事業を今年度の展開にしていたため、このようなフォーラム設定になったのだと思います。意思を伝えて柔らかい、いいタイトルだと感じました。
目玉となるのはパネルディスカッション。植島啓司氏がコーディネーター、猪谷千香氏、幅允孝氏、三重県立図書館が支援して開設したみなみいせ図書室の司書田中由紀子氏がパネリスト、という、とっても玄人好みの顔ぶれでした。話題が色々に広がって、わわ大丈夫かな「どこにも2つの図書館」に収束するのかな、って思うくらいだったのですが、御膝元三重の田中由紀子氏の発言ですべて収束していました。三重県立図書館のバックアップがいかにすごいか、というのを感じるパネルでした。私だけでなくそうおっしゃっていてやっぱりな、と。
#どこにも2つの図書館 この企画はやっぱりみなみいせ図書室の田中さんをパネリストに加えようと考えた人が偉いな。猪谷さんと幅さんの発言がしっかりとテーマに収束していく。
— 岡野裕行 (@hiroyukiokano) 2015, 1月 24
特にすてきだったのがこの発言。膝を打ちました。
#どこにも2つの図書館 みなみいせ図書室の田中さん「図書室をつくるときに、あなたたちの図書館の後ろには県立図書館の80万冊の本があるんだから、と県の図書館の方に言っていただいた」
— 岡野裕行 (@hiroyukiokano) 2015, 1月 24
(ちょっともどって図書室整備の際の話)田中さん「県立図書館の心強い支援。図書室の本は古いんですけれど、と言ったら、図書室の後ろには県立図書館の蔵書がありますと返してもらった」
— Yui Kumazaki (@ivory_rene) 2015, 1月 24
これなんて、ある種のビジネス支援ですよね。
田中さん「みかんづくりをしている人が加工や販売方法について考えるために本を借りていったり、本を暮しや仕事に結びつけるような図書室の利用をしてくれる人が出てきたところを見ると幸せな気持ちになる」 #どこにも2つの図書館
— Yui Kumazaki (@ivory_rene) 2015, 1月 24
取り上げるのはこの部分だけにしますけれど、上記togetterや「明日の県立図書館」事業説明から三重県立図書館の事業を見ていただきたいなあと思います。県内の横のつながりをとても意識されているのと、だいたい2か月に1度[*2]は県内の行政機関やNPO等との連携企画を実施なさっています。博物館やイベントに出張貸出に行ったりも。こういう事業を進捗管理しながら続けていけるのが本当に素敵ですし、偉そうな表現をすると突出しているなあと思います。
三重県立図書館がLibrary of the Year 2012の優秀賞となったのも「明日の県立図書館」に始まる県内の図書館活動推進、でした。
そしてこのフォーラムの1週間後(2015年1月31日(日))に開催したのが座談会。
更に1週間後(2015年2月8日(日))に開催予定(共催)なのがビブリオバトル。
……パワフルすぎます。目先のイベントがすべてではないですけれど、これらのイベントは積み重ねがないと開催できないものだと思うので。
三重県立図書館と職員の皆さんのファンだし、応援したいなって思っています。