「省庁による委託研究の報告書を探している」という調査依頼を内外から時折受けていました。
原子力関連分野に特有の部分もあるでしょうけれど、私なりの探し方を書いておきます。公刊資料でないから探しにくくて、勤務先でも皆の調査結果を併せて回答していました。
書誌情報(主にタイトルや著者)やざっと検索した結果から委託事業の報告書だとあたりをつける。
自機関のOPAC、NDLのOPAC、INIS Repository*1、念のためCiNii Booksを検索する。
ここまでで見つかったら所蔵情報やサービスの利用方法を提供。
機関によっては情報開示のため委託事業の成果報告書を機関のwebページに掲載していることがある。みつからないときは委託元のwebサイトを検索。
ヒットしないときは旧組織の情報が参考になるため、WARPから探すのがよい。
ということでWARPを検索するとき:
- ざくっと検索して数百件程度なら書誌情報を流し見る
- それらしい情報を探し、必要に応じて検索語を詳細にして(数百件になるように)絞り込む
- 委託調査は複数年の研究契約であることが多く、毎年「平成○年度○○調査研究に関する報告書」が刊行されていたりするので、発行年などから探す
WARPにある旧組織のwebページ情報に求める報告書の全文が保存されていることもある。見つかったらWARPの情報をご案内。
原子力関連分野の場合、原子力安全基盤機構(JNES)原子力ライブラリの所蔵情報がWARPに保存されている。JNESは委託事業の報告書も多数所蔵していたように見受けられる。
- JNES原子力ライブラリの所蔵情報は ①所蔵情報しかないもの ②所蔵情報のなかに全文PDFファイルへのリンクがあるもの の2とおりがある。
- ①利用者にはWARPに保存された所蔵情報と、後継組織の原子力規制委員会原子力関係資料閲覧室の利用案内をご案内
- ②はラッキー! ご覧になれますよとご案内
いずれの場合も、情報を提供する際に「複製、転載、引用等は委託元の承認が必要ですのでご注意ください」と添える。
上記の方法でも見つからないときは、委託元機関に照会することになる。
WARPを検索すると委託による調査研究事業リストがヒットすることもある。このとき、たいてい担当部署名がわかる。ということで、委託元機関に照会するときにちょっと詳しい情報を添えることができる。
というかんじ*2。粗々ですが、WARPで探すよ! というところまでは原子力関連分野以外でも使えるのではないかしら、と勝手に思っています。他分野の調査依頼は受けてないから憶測ですけれども。