2020年、ふりかえって、おじぎを。

目まぐるしい年でした。人と会うことや業務上のコミュニケーションを考えることが多かったように思います。
今年は研究データ管理の業務に進展がありました。これを進めて皆が良くなるんだろうか、意味があるんだろうかと悩みましたし、苦しい辛いことも多い業務です。反面、勉強になり、出会いも発見もありました。

1月
研究データの案件が炎上どころか延焼していて、研究者の方の居室に相談に伺って随分とお話させていただいたりした。夜道を欝々と歩いて帰ることが多く、ようし右足着地で「楽しい!」左足着地で「幸せ!」だ、楽しい幸せ楽しい幸せ楽しい幸せ……と頭で唱えながら帰ってみた、という記録があった。今思うと危ない人。
初めてつけ麺を食べた。おいしかった。

2月
SPARC Japanセミナーでデータポリシー検討に関して発表する機会をいただいた。未決事項を講演することへの懸念も示されていたけれど、国立研究開発法人の状況を大学などの方に知っていただくことも、検討過程を公開することも、今後のためになること、と個人的には思っている。外部発表は職場の許可が得られる限り、ご期待いただいたら応えたいとも。
研究データ利活用協議会・研究データライセンス小委員会のメンバーの方々が長く検討なさっていたガイドラインが公開された。私は終わりの少しだけ議論に参加したのだけれど、とても有意義な時間だったし、ガイドラインも業務で参考にしている。
感染症のニュースが近くに聞こえ始め、でも気兼ねなくのんびりと過ごした休日もあって、今思えば贅沢だったなあ、と。
学術情報流通推進委員会 │ イベント情報 │ 2019 │ 2019年度第3回「実践 研究データ管理」
研究データの公開・利用条件指定ガイドライン

3月
オンライン開催になった研究データ利活用協議会の総会で事例報告。
紆余曲折を経て、データポリシーに決裁をいただいた。大きめの委員会で研究データ管理の検討体制に承認をいただいたりも。2-3月はポリシーだけでなく、4月以降の体制などを研究者の方々に相談し、調整することが多かった。主語が変わる(たとえば何かのタイミングで、俺は、とおっしゃるような)打合せは嬉しくなる。この業務は、他部署の方や研究者・技術者の方とお話できること、組織の意思決定の過程を傍で見られることが勉強になる。

4月
職場に、新入職員さんが、配属された!
年度末の調整のかいあって研究データ管理を研究者の方々と検討できることになったのだけれど、交替での在宅勤務もスタート。

5月
思うことが多く、科学立国の危機―失速する日本の研究力など再読。一定の技術を持つ職員だと認定していただくための書類を書いていた。転職以来を振り返って今後を考える機会だったと思う。(認定していただいた。)

6月
研究データ管理の業務で、夏はもうずっとぎりぎりまで仕事してた気がする。研究者の方々の議論を聞く、議論することは大事だなあと思っていた。

7月
第17回情報プロフェッショナルシンポジウム(INFOPRO 2020)と、オプションで開催されたオンラインイベントでガイドラインについて発表(会自体は予稿集の発表をもって成立とする、というコロナ禍によくある形だった)した。小委員会の方々のアドバイスに感謝。
職場の著作権講座の講師をしたり、委員会を2日連続で開催したり、研究データ管理関連で関係部署と調整して回ったり。研究職でも技術職でも事務職でも、その道のプロフェッショナルな人とお話できるのは面白くて有難い。この頃同じ部の先輩から言われた「染まらないで」を考えている(いまも)。
「暑いです…もう楽にしてください……」と訴えて髪を切ってもらったり、少しのんびりしたりもした。
研究データの公開・利用条件指定ガイドラインの策定(予稿集)

8月
仕事はいろいろ破裂していて、周囲の方の気遣いに救われた。この間記録を見たら、8月は記憶がないってわざわざ書いてあって苦笑した。暑すぎて甘い香水がつけられなくなった。

9月
小さな委員会と大きな委員会を開催したり、どどどと仕事をして、研究データ管理に関する規程と通達に決裁をいただいた。悩ましく思うことが多く、そんななかで第4回京都大学研究データマネジメントワークショップ | 学術情報メディアセンターは、聞けて良かったと思う。夏休みは取りきれなかった。

10月
規程の説明会を開いた。説明会はZoomウェビナー(ミーティングでなく)で、主催したことないのに3時間くらいで設定して、受付開始。その後毎日ちょっとずつ練習したり資料直したり、周囲のサポートでどうにかなったと思う。参加者も多く、リアクションもあり少し安心した。編集の業務も、大きめの刊行物が無事校了・出版できた。

11月
研究データや編集含め、業務の分担・整理とスケジューリングや、将来の制度作りのための打ち合わせの時間を上司に持ってもらったのが有難かった。図書館総合展ONLINEに業務の傍ら参加するのは難しかった。会場で会って、ご飯行き今年の目標! とかお喋りしていたのもできず、ちょっと寂しい。(去年横浜で立てた目標は全然達成できていないのだけれど。)
8年ぶりくらいに前髪をつくったり、散歩して休日を過ごしたりした。

12月
研究データ利活用協議会の総会と公開シンポジウムで事例報告をした。青木先生のご発言「はじめからオープンサイエンスでなくても、明日の自分にとってFAIRであるように心がける」が印象深かった。
職場の著作権講座その2。11月もそうだけれど、編集の業務が多くて一日があっという間だった。大きめの刊行物その2もなんとか校了。業務分担をする上での質と量、業務における認識と行為なんかを考えていた。たぶんこれは暫く考えると思う。

研究データが仕事になってから、職場内外の多くの方にお会いしました。今年は特に、同じ組織でもこれまで接点のなかったような研究職・技術職・事務職の方と、直接のご相談、会議、メールやお電話、などなどしていました。組織にいる様々な立場の方を知り、考え方を学べたと思います。そのおかげで規程等が制定・施行できました。編集の業務も、これまで以上に向き合ったと思います。
そうだ、JPCOARの作業部会員にもなりました。あまり貢献できていなくて心苦しいのですが、相互扶助の一端であれたらいいなと考えています。職場の外の方と共同で仕事をする、仕事をされている様子を見るのも興味深く、いい機会をいただいたと思います。
職場の内外で、この場はよかったと思えるのはありがたいことです。

自分の感度は下がってしまったような気がします。何か思うことがあっても、言葉にしにくいというか。公開せずとも思ったことは記録して流さないようにしなければ、とよく思いました。ぼーっと歩いているときがいちばん頭がすっきりするような気がして、よく歩いていました。好きかわいい欲しい、ともあまり思わなかったような。服は気に入ったかではなく仕事に着ていくのに便利か、で選んでいたし、本も大して読まなかったように思います。
薦めてもらった音楽を聴いたり、夏には美容ブロガーさんおすすめのシャンプーとトリートメントを買ってみたり。新しい発見や良さがあって、これはこれでいいかもしれない、と思っています。素直になる、でもないですが。
今年よかったのは、NEAL'S YARD REMEDIES|アロマパルスソイプロテイン(タンパク質摂れてないなあ、と気づいた)、ZEBRA | ゼブラ株式会社 | ブレン(編集の仕事は赤ボールペン必須なのだけれど、これはとても書きやすくてリピート中)、ヘアケアに投資してみること。
言語、アイデンティティ、国のゆらぎが印象深かった本です。彼女の小説や、他の越境文学をもっと読みたいと思いました。


年始の目標はそれほど達成できませんでしたが、仕事はそれなりに頑張ったかな、と思います。周りの方々とのちょっとしたやりとりで楽になっていました。かまって気遣ってくださる方も、ありがたいです。辛いこともあり、ひとと過ごして幸せな時間があり、まあそーいうもんなんやろなあと思うようになってきました。
今年も、ありがとうございます。