高・大ともに、生徒募集の広報活動に熱が入る時期となりました。タイトルの「大学の広報」手段は各種あります。
- 駅などへの広告
- 大学説明会
- オープンキャンパス、体験授業の実施
- 出前授業
- 自治体・高校などとの連携・協定
- サイエンスカフェ、公開講座
- コンテスト実施 ←これ
- 大学所属の部活への支援(その部活に入るために学生が集まる)
- 図書館・研究施設の開放(最近だと日食の観測会、クールシェアなど)
- 教員のテレビ出演
ivory_reneは国語科内で漢字検定と各種コンテストの主担当をしています。夏休みに向けて、小論文などの公募は目白押し。生徒への周知の為に収集しておりますので、ご紹介します。*1
まず、大学主催の募集は大きく二つに分けられます。人文学系と自然科学系。人文学系は創作・小論文、自然科学系は調査・研究レポートが中心です。*2
■人文学系
- 小論文
- エッセイ
- 創作小説
- 俳句・川柳・短歌
- 調査レポート
大学主催のものに多いのは、1・2。
それぞれの大学において 中心とする/売りとなる 学部に合わせてテーマが設定されているようです。 (例:福祉・看護・心理がメイン→テーマは優しさ・心)
■自然科学系
- 小論文
- 調査・研究レポート
自然科学系のコンテストはごく少数しかありません。
上記のコンテストを出来得る限りはてなブックマークに集めています。 タグは[作文]。現在、40少々です。→ここ*3 (地域に偏りがありますので、ご了解ください。)
また、コンテストを主催する大学に多いのは国公立大学よりも私立大学です。
この差は、歴然。コンテストって広報戦略だ! と、教科内のコンテスト担当者になって気づきました。
担当者になって以来注目しているのが、テーマでも賞金の額でもなく*4、入賞者に入試の出願資格が付与されるコンテストです。
確認しているのは、次の各校。
- 中央大学 高校生地球環境論文賞 → 入選以上の2年生以下の入賞者は、経済学部の自己推薦・海外帰国生等入学試験の出願資格を付与 →リンク
- 大東文化大学 全国高校生作文コンテスト → 入賞者は環境創造学科への公募制推薦入試出願が可能 →リンク
- 神奈川大学 全国高校生俳句大賞 → 入賞者は経営学部出願部門別の公募制推薦入学試験(社会・文化活動部門)の出願資格を付与 →リンク
- 神奈川大学 全国高校生理科・科学論文大賞 → 入賞者は経営学部出願部門別の公募制推薦入学試験(社会・文化活動部門)、理学部の公募制推薦入学試験の出願資格を付与 →リンク
- 畿央大学 高校生エッセイコンテスト → 応募者は2013年度畿央大学AO入試に出願可能*5 →リンク
- 武蔵野大学 武蔵野文学賞 → 応募者は2013年度文学部日本文学文化学科のAO入試出願資格付与 →リンク
- 獨協大学 全国高校生英語スピーチコンテスト → 1次選考通過者および本選出場者に指定学科の公募制推薦入試等の出願資格を授与 →リンク
近年、AO入試への盛り上がりは少なくなりました。AOといえば、学力・評定平均(内申)よりも学問分野に対する関心・意欲・適性や個性を重視する選抜方法です。ところが、AO入試合格者の学習面における質が問題になったようです。そこでAO入試といえど評定平均での足切り(たとえば、10段階評価の平均が3.5ないと出願できないというように)を行うようになりました。自己推薦入試でセンター試験を併用するところもあるようです。
そんななか、論文を書く(書いて入賞する)と出願できる! というのは書くことが得意な生徒にとっては魅力です。また、通常の試験方法よりも一回余分にチャンスが貰えると思えば、とてもラッキー。
併せて、AO入試や自己推薦入試を実施している大学のコンテストは注目しています。
「貴学への熱意が/○○学部への関心が強いため、コンテストに応募もしています」と言うこともできます。これだったら、高校3年生の忙しい時期にせずとも、高校2年生の間に少し手間をかけるだけで話のネタを増やし、熱意も添えられるというもの。
大学側からすれば、広報活動の一環。高校教員からすれば、切実な一策でもあるのです。