メモ:我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方(とりまとめ)

文部科学省「我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方(とりまとめ)|令和3年2月4日」が公開されていた。

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検討された論点に「オープンデータ・オープンアクセスの取組」がある。研究データに関係ある箇所を抜き出す。

2.研究施設等をめぐる現状と課題
(2)研究施設の利用の促進等

○ 各施設の利用を促進するとともに、その成果を広く展開していくためには、施設運転や研究開発等で生み出される各種のデータを幅広く共有し、有効利用を促進していくことが極めて重要。こうしたデータの積極的公開(オープンデータ)や、データへのアクセス自由化(オープンアクセス)等が必要であり、各施設間のデータ仕様の統一やデータの公開・利用方法等の指針策定、各施設におけるデータベースの整備等が課題。さらに今後、各施設で保有するデータ量が飛躍的に増加することが見込まれることから、各施設におけるデータインフラ(人材を含む)の整備が不可欠。また、スーパーコンピュータを利用したデータ科学と量子ビーム施設の連携強化の重要性も今後ますます増加。

4.各論点に対する今後の推進方策
(1)量子ビーム施設の整備計画の策定および DX の推進

○ 整備計画案の策定に当たっては、after コロナ/with コロナを踏まえた DX に対応した施設・設備の遠隔化・自動化・AI 的手法導入等やデータインフラ等の研究基盤の整備と連動した検討を推進。また、当該 DX 対応により得られた成果を他の量子ビーム施設に展開していくとともに、各施設におけるシステムの共通化・標準化等、ユーザーフレンドリーとなるような仕組みについても検討。DX の推進に伴い、今後、施設に来所することなく測定・解析を依頼するユーザーの拡大が見込まれるため、こうした広義の「ユーザー」への支援の在り方についても留意。

(2)ユーザー支援の強化

○ 国は、量子ビーム施設種に対応した統一的なデータポリシーの策定や、データ整備・管理のためのインフラ整備など、各施設におけるオープンデータ・オープンアクセスの在り方や、その支援策について検討。
○ 国は、産学官連携を促進するため、学会や既存のプラットフォーム、コンソーシアム等も有効に活用し、量子ビーム施設を中核とした組織的な連携・協力体制を実現する新たな枠組み(プラットフォーム等)の構築について検討(次世代放射光施設において検討が進むコアリション・コンセプト(coalition concept)等も参考)。なお、検討に当たっては、国の大型研究施設のように学界や産業界に幅広く利用促進を図る施設や、大学共同利用機関や共同利用・共同研究拠点の施設のように学術研究を主体とする施設、必ずしも外部利用を前提としていない施設等で、産業利用を含む共用促進等に関する位置づけや体制等が異なることに留意。

別紙2
新たな量子ビーム連携プラットフォームの構築に向けて
●量子ビーム施設における DX に対応した施設・設備の整備(遠隔化・自動化・AI的手法の導入等を含む)の推進
・DX の共通基盤技術開発(標準化)や共通化の推進
※遠隔化に伴う情報セキュリティの確保に留意が必要

●データ戦略の策定の検討
・オープンデータ・オープンアクセスの在り方やデータポリシー等の検討
※国における今後の議論の方針に留意が必要

こういう公募もあるし、政策的な取り組みはそこここで進められているのだな、と思いつつ、どこまでウォッチできるか、どうやって対応していこうか、と考えている。
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