平成26年(2014年)7月号の「広報まつさか」では図書館の特集が組まれています。
表紙は親子の読み聞かせの様子です。特集のタイトルは「図書館が変わる 人が変わる まちが変わる 明日を変える」で、これまでの図書館シンポジウム等で一貫して使われているもの。「読書のススメ」「そうだ 図書館に行こう!」の二本立てです。
松阪市には松阪図書館と嬉野図書館の2館があります。昨年、松阪市の山中市長は、民間任せだった図書館事業について見直すと定例会見で発言。図書館構想の策定やPFIを含めた民間手法の導入などが検討されているようです。武雄市長を招いたシンポジウムで話題となりました。広報まつさかを見て、ここまでの流れや記事をメモしておこうと思い付き、ちょこちょこ探してみました。
2013年4月~2014年6月までをざっくりと。
2013年4月
武雄市図書館を見学したことに触れ、松阪市松阪図書館、嬉野図書館の改革を実施するとの発言がありました。現在はTRCによる指定管理。民間に任せきりにするのではなく、行政も関わっていく(意訳)とのこと。
2013年6月
6月補正予算に図書館改革推進事業費を盛り込む。説明は次の通り。
公共図書館と司書の果たす役割を再認識し、これからの図書館のあり方を市民参加のもとで検討するため、シンポジウムを開催する
図書館事業に関する補正予算について。指定管理期間を1年延長し、市民参加で図書館の在り方を見直す、とのことです。
そういえばこの記事、BLOGOSにも転載されていました。
2013年7月
7月28日(日)に実施された図書館シンポジウムの開催報告が「みんなが行きたくなる図書館へ」として記事になっています。基調講演は佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長。講演とパネルディスカッション、意見交換が行われたそうです。参加者の声を受けて、TRCの制服から松阪木綿のエプロン着用に変化、一定の時間帯には児童コーナーに職員を常駐させるといった取り組みが行われています。
まとめもありますね。
2013年10月
10月19日(土)に第2回図書館シンポジウムを開催。基調講演は皇學館大学高倉一紀教授による「図書館文化のふるさと松阪-射和文庫からの再出発-」。パネルディスカッションのアドバイザーに高倉教授のほか、神奈川大学の南学教授[*1]も招かれていたようです。開催報告が見つけられないので、見つけたら追加します。事業計画やスケジュールも出ていたようで、詳細が読めないのが残念[*2]。
2013年11月
11月補正予算に図書館改革関連費用が盛り込まれています。「公の施設の指定管理者による管理に係る協定(松阪市松阪図書館及び松阪市嬉野図書館)」「図書館改革事業化計画策定及び民間手法導入可能性調査委託料 」の2点。これをもとに、2014年に「松阪市図書館改革推進事業民間手法導入可能性調査業務」が実施されます。
図書館事業に関する予算計上についての発言の一部。
ICTの活用、周辺施設との連動性、行政の役割のあり方、市民により開かれた図書館、中長期での図書館事業を構築します。人とまちと共に育つ図書館という新たなコンセプトを基に、施設の改修、サービス、そして運営管理の計画をつくって、行政と民間の計画が融合したPFI事業を1つの前提として進めていきます。
2013年12月
市長言うところの「重大ニュース」の1つめ「多くの政策課題を対話型シンポジウムで議論」と4つめ「市民とつくる図書館改革のスタート」に図書館事業について。庁内で図書館改革の推進プロジェクト委員を委嘱、指定管理を2年延長して図書館改革を進めるとのこと。
2014年1月
2013年11月の補正予算によるものです。仕様書を見ると、基本計画の検討や改修計画についての調査も実施するとのこと。
この募集ページに松阪市図書館改修基本計画書(案)が掲載されています。松阪図書館は1987年完成。増築しているものの、施設の老朽化・劣化が激しく雨漏りもあるとのこと。改修計画には以下のようにあります。うーん、これは全体を対象とした整備、ということなんでしょうか。
改修にあたっては、できる限りオープンスペースとし、デザインと機能を持ち合わせた居心地よい空間を創造する。図書館のコンセプトが判りやすく住民に伝わるものとし、前述した4つの機能がそれぞれ十分に発揮され、利用しやすい図書館づくりを目指す。
2014年6月
平成26年6月18日(水)と22日(日)、どちらも13時30分~15時30分。松阪図書館のみではありますが、平日と休日の両方で開催しているのがいいですね。「(今の図書館を見て回ったが)普通⇒まったくもってその通り。ワクワク感が足りない(市長) 」というものや、広域サービス、電子書籍、空間設計、周辺施設との関係などなど、幅広く忌憚ない感想が掲載されています。おもしろくて、先々期待、です。
着々と図書館改革の方策が進んでいるようです。市民参加や対話重視という方針、そして「ワクワク」するような…と発言なさる市長、いいなあと思います。この2年の間にどう変わるのか、今後に期待して情報を見ていくつもりです。
追記(2014年8月7日)
この記事を公開してから @fmht7さんに以下の情報を教えていただきました。余裕がなくて追記できず、今頃になってしまったのですが。2013年10月19日(土)に開催された第2回図書館シンポジウムに参加されていたそうです。
以下、教えていただいたもの。ありがとうございます。
- @fmht7さん実況
https://twitter.com/fmht7/status/391429090772676608
https://twitter.com/fmht7/status/391437159015518208
https://twitter.com/fmht7/status/391437159015518208
- 高倉教授の基調講演資料
1.https://twitter.com/fmht7/status/391449530526216192
2.https://twitter.com/fmht7/status/391446706799144960
3.https://twitter.com/fmht7/status/391446954783145985
4.https://twitter.com/fmht7/status/391449530526216192